
長野県には、県外の人にはなかなか伝わらないユニークな方言が数多くあります。
実は、長野県民のなかには自分たちが使っている言葉を方言だと意識していない人も少なくありません。
私自身、長野県に移り住んでから「これって標準語じゃないの?」と言われる場面に何度も遭遇しました。
特に有名なのが「ずく」。
長野県を代表する方言として知られていますが、そのほかにも「なから」「わにる」「べちゃる」など、県外ではほとんど通じない言葉がたくさんあります。
今回は、実際に長野県でよく使われている方言や信州弁を意味と例文付きでわかりやすく紹介します。
長野県への旅行や移住を考えている方はもちろん、「長野県民との会話で聞いたことがある」という方もぜひ参考にしてみてください。
なお、長野県は北信・東信・中信・南信の4つの地域に分けられ、それぞれで使われる方言に違いがあります。
この記事では主に北信地域(「温泉に入る猿」で有名な山ノ内町、「善光寺」のある長野市が有名)で実際によく耳にする方言を中心にまとめています。

長野県の方言「ずく」とは?意味や使い方を解説
長野県を代表する方言で
【ずく】とは簡単に言うと、
・「やる気」
・「根気」
・「気力」
・「根性」
のことです。
ただ、長野県の人に言わせるとピッタリ当てはまる標準語は、ないそうです。
例
・ずく出してやろう
意味:やる気出してやろう
・ずくあるね~
意味:気力あるね~
・ずくなし
意味:やる気のない人、面倒くさがりな人
【ずく】に関してはピッタリ当てはまる標準語はなく、
本当はめんどくさかったり、気分がのらないんだけど「よいしょっ」と出す気持ちのようなもの。
のようです。
ちなみに長野県では「テレビ番組」や「ラジオ番組」にも『ずく』が使われています。
▼ 信州の情報番組「ずくだせテレビ」 ▼
▼ 朝のラジオ番組「坂ちゃんのずくだせえぶりでぃ」 ▼
長野県の方言「なから」の意味は?使い方と例文
意味としては
・「大体(だいたい)」
・「おおよそ」
・「ほぼ」
という意味です。
例
・頼んでおいた件、終わった?→ なから終わったよ
意味:頼んでおいた件、終わった?→ 大体(だいたい)終わったよ
・作業もなからになったから、終わりにしよう
意味:作業もおおよそ進んだから、終わりにしよう
・片付けも時間かかったけど、なからになったね
意味:片付けも時間かかったけど、ほぼ終わったね
長野県の方言「まえで」とは?
意味としては単に
・「前(まえ)」
のことです。
前といえばいいだけなのになぜか長野県の人は「で」をつけるんです。
不思議ですよね~。
例
・○○の前(まえ)でに置いといて
意味:○○の前に置いといて
・○○の前(まえ)での道を行けばいいよ(道案内のときなどに)
意味:○○の前の道を行けばいいよ
・前(まえ)での方につめてください(並んでいるときなど)
意味:前の方につめてください
極めつけは、「○○の前で待っててよ」なんて言う場合。
長野県では、○○の前(まえ)でで待っててよとなり、「で」が2つ続きます。
長野県の方言「~するしない?」の意味
意味としては
・「~しない?」
とか
・「~じゃない?」
いう意味です。
例
・○○行くしない?
意味:○○へ行かない?(行きませんか?又は行こうよ)
・言ったしない?
意味:(さっき)言わなかった?又は言ったでしょ
・食べたしない?
意味:(さっき)食べなかった?又は食べたよね?
極めつけは「サッカーするしない?」なんて言う場合。
長野県では、サッカーやらない?又はサッカーやろうよという意味なんですが、
知らない人が聞いたら『する』のか『しない』のか、どっちか分かりませんよね。
この方言は、割と広い年齢層で使われています。
長野県内にはこんな看板もあります。

ちなみに「バナナマンのせっかくグルメ!!」でも出てましたよ。
長野県の方言「かすこく」とは?
意味としては
・「生意気なことを言う」
という意味です。
例
・かすこくな!
意味:生意気なこと言うな!
長野県の方言「ちょんこずく」とは?
意味としては
・「調子にのる」
という意味です。
例
・ちょんこずくとケガするぞ!
意味:調子にのるとケガするぞ!
・あいつ、最近ちょんこずいてるな。
意味:あいつ、最近調子にのってるな。
長野県の方言「じっく」の意味
意味としては
・「ぐっしょり」
という意味です。
例
・濡れたイスに座ってたから、おしりがじっくだ!
意味:濡れたイスに座ってたから、おしりがぐっしょりだ!
・雨の中たくさん歩いたから、くつ下じっくだ!
意味:雨の中たくさん歩いたから、くつ下ぐっしょりだ!
長野県の方言「べちゃる(びちゃる)」とは?
意味としては
・「捨てる」
という意味です。
例
・これ、べちゃっといて(びちゃっといて)!
意味:これ、捨てといて!
・これ、まだ使うからべちゃらんといてね(びちゃらんといてね)!
意味:これ、まだ使うから捨てないでね!
長野県の方言「わにる」とは?
意味としては
・「人見知りする」
・「恥ずかしがる」
という意味です。
例
・うちの子、わにちゃってダメだよ
意味:うちの子、恥ずかしがってダメだよ
・あの子、わにないね~
意味:あの子、人見知りしないね~
子どもが赤ちゃんだった頃、スーパーでベビーカーに乗せて買い物をしてた時に、通りすがりのおばあちゃんが「かわいいね~、この子わにないね~」と声をかけてくれました。
その時は意味がわからなかったけど、今はわかるようになりましたよおばあちゃん。
長野県の方言「せう」の意味
意味としては
・「言う」
という意味です。
例
・さっき、せったじゃん
意味:さっき、言ったじゃん
・あの人、以前あんな事せってたよ
意味:あの人、以前あんな事言ってたよ
また、有名な言い回しに
「せったかせわねかせってみろ」というものがあり、意味としては
「言ったか言ってないか言ってみろ」となります。
長野県の方言「とぶ」は走る・急ぐ?
意味としては
・「走る」
・「急ぐ」
という意味です。
例
・ここまで、とんできた
意味:ここまで、急いで(走って)きた
・すぐ、とんで来い!
意味:すぐ、急いで(走って)来い!
小学校の運動会などにある「かけっこ」のことを「とびっくら」と言ったりします。
長野県の方言が面白い理由
長野県の方言は、「ずく」のように標準語では一言で表現できない言葉が多いのが特徴です。
また「べちゃる」「わにる」など独特な響きの言葉も多く、県外の人が初めて聞くと意味が分からないことも少なくありません。
地域によって言い回しが異なるのも長野県の方言の魅力です。
長野県を訪れた際は、ぜひ地元の人との会話の中で信州ならではの言葉に耳を傾けてみてください。
まとめ
今回は長野県でよく使われる方言を紹介しました。
長野県を代表する「ずく」をはじめ、「なから」「わにる」「べちゃる」など、信州ならではの言葉には地域の文化や暮らしが色濃く反映されています。
同じ長野県内でも地域によって方言は異なるため、今後も見つけた信州弁を随時追加していきます。
長野県への旅行や移住を予定している方は、ぜひ会話の中で使われる方言にも注目してみてください。


